【海外へ引っ越し】ジャッキーと渡米したときの話-その1

旅行・お出かけ

ジャッキーが11歳の時、私が結婚しアメリカに引っ越すことが決まりました。
高齢なのでとても心配でしたが、当時まだ現役で働く父だけでは面倒が見れないということで他に選択肢が無く、もし万が一何かあっても自分の責任だと覚悟を決めました。

結論を先に言ってしまうと、11歳という高齢でも健康面で特に問題はなく、ジャッキーはどちらかというと肝の座ったお犬だったので(花火や電車を怖がらない)、飛行機の貨物エリアに一人で乗っても大丈夫でした。
その後、アメリカで幸せな生活を過ごし、穏やかな最期を迎えることが出来たのでアメリカに一緒に連れてくるという判断をして本当に良かったと思っています。

海外への引っ越しは大変なことです。そこにわんちゃんも一緒となると心配ごとも増えるかと思います。これから海外へわんちゃんを連れてお引越しをされる方に、私の経験談が少しでも役に立てばと思い、記事にすることにしました。

注意点とお願い

犬を日本から海外へ連れて行くときの手順についてですが、正直なところ、10年前の話なので細かいところの記憶がかなり曖昧です。また、現在必要な手順は当時と比べてさらに複雑になっているため、私の話はただの昔の経験談として、あくまでも参考程度に留めていただければと思います。

現在の情報について、下記にリンクをまとめましたのでご参照ください。

出発当日までに行うこと

出発当日までの手順について、私は以下の通りに行いました。

  • かかりつけの獣医さんと相談する(健康診断・血液検査・レントゲン検査など)
  • 日本側の犬の輸出条件を確認する
  • 海外側の犬の輸入条件を確認する
  • 輸送用のクレートを用意する
  • クレートに入る訓練をする
  • (航空チケットを取ったあと)航空会社に犬を連れていくことを連絡する

一つ一つお話していきます。

かかりつけの獣医さんと相談

まず最初に行ったことは、かかりつけの獣医さんとお話することです。
ジャッキーの年齢や体調から飛行機に乗ることが大丈夫かどうか相談したかったからです。万が一、気づいていない病気などがあったら、飛行機に乗せることは出来ません。
子犬のころからお世話になっていた先生なので「アメリカに行ってしまうんですか…」と寂しがってくださいましたが、一通りの健康診断と血液検査やレントゲン検査などを行い、最終的に

健康体なので飛行機に乗っても大丈夫でしょう


というお墨付きをいただきました。
狂犬病や混合ワクチンなどは毎年きちんと打っていたので、特別に再度打たなくてはいけないということはありませんでしたが、下記のような予防接種証明書というものを発行してもらいました。

そして、出発の10日前以内に動物検疫所にあるこちらのフォーム(健康診断証明書)を記入してもらい、同時に英文でも「狂犬病ワクチン接種の証明書」作成してもらいました。

ちなみに、マイクロチップは現在ほど一般的ではなかったので、ジャッキーは着けていませんでした。当時の輸出・輸入条件にもなかったためそのままで大丈夫でしたが、現在は「未装着の場合は相談するように」との記述があります。相手側の国で必須になっている可能性もあるため、着けておいた方が良いと思います。

日本からの犬の輸出条件について確認

現在の犬の輸出条件については動物検疫所のこちらのサイトをご参照ください。

正直、日本からの輸出に関しては(輸入と比べれば)そんなに厳しい条件があるわけではないので簡単でした。
動物検疫所に「海外へ渡航する」旨を連絡し、出発当日は空港の検疫所にて検査をしなくてはいけないという説明を受けました。輸出検査申請書を記入し、獣医さんが発行してくれた健康診断書と一緒に出発当日に空港へもっていきました。

海外側の犬の輸入条件について確認

こちらは渡航される国によって手順が全く異なってくるところですが、アメリカは狂犬病がある国だからか(日本は狂犬病がない国だからか)手続きはかなり楽でした。というより、特にやらなければいけないことは無かったに等しかったくらいです。日本側の輸出手順に必要な書類があれば、アメリカ側の手順もクリアできている状態でした。
ただ現在は当時より少し厳しくなっているようなので、CDCのこちらのページやUSDAのこちらのページをご参照ください。大きく変わった点としてはマイクロチップの装着が義務化されたようです。当時は義務ではなかったため、ジャッキーはマイクロチップをつけていませんでした。

クレートを準備する

私が使った航空会社はANAでしたが、国際線ではペットの機内持ち込みは出来ないためクレートにいれて貨物室で輸送されることになりました。家ではクレートを使っていなかったため、新たに購入する必要がありました。

まず利用する航空会社のクレートの要件を確認します。ANAではこちらのページの「ペットケージの要件」に記載があります。購入するにあたって特に重要なのはサイズです。

ペットケージ利用時の注意事項

ペットケージの3辺(縦・横・高さ)の和が292cm(115インチ)、もしくはペットとケージの総重量が45kg(99ポンド)を超える場合はお預かりできません。

https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/reservation/support/international/pets/

中型犬なのでサイズオーバーすることはないですが、わんちゃんがケージの中で立ったり寝たりと、自由に動けるサイズというのが重要な点です。また、飛行機で利用するための安全基準(IATA: International Air Transport Association)を満たしているという記述があるものを選ぶと安心です。

当時の寸法は覚えていないのですが、今いる愛犬達を測ったところ、一般的なサイズのコーギーではこちらのMサイズがちょうど良さそうです。当時、私が購入したのもこちらのようなクレートでした。(キャスターはついていませんでした。)

クレートが届いたら、てっぺんの部分に黒いマジックで
「Senior Dog(老犬です)」
「Please Keep in cool place(涼しいところに置いてください)」
と書きました。出発日が6月下旬でもう暑くなり始めていたのと、コーギーは寒さより暑さに弱いという点から、上記のような記載にしました。クレートのドア網の部分には、下記のような給水機を取り付けてフライト中にもお水が飲めるようにしました。

そのほかにも、暑さが怖いからひんやりシート的なものを入れておこうかと思いましたが、獣医さんから「ストレスでかじって誤飲などしたら怖いから、入れるものは最小限にした方が良い」と言われ、とりあえず私がパジャマとして着ていたシャツを入れました。私の匂いがすると少しは安心してくれるかもと思ったからです。

クレートに入る訓練をする

ジャッキーは普段はケージを使っていましたが、このようなクレートには入った経験がほとんどなかったため、何日か時間を取って訓練をしました。

私は「ハウス」をクレートに入るコマンドにし、何度かハウス、ハウス、と言いながらおやつを使ってジャッキーをクレートの中へ誘導し、入った瞬間に「よーし!」とほめておやつを与えました。

それを何度か行ったあと、今度は「ハウス」と言うだけにします。おやつでの誘導はせず、「ハウス」と言ってからジャッキーの動向を見ます。すると、「?」と混乱するような表情を見せた後、少し考えて何かしらの行動に移ります。ここで、クレートに近づくような動きをしたら、完全に入っていなくてもすぐに「よーし!」といっておやつを与えます。

一度に完璧にするのではなく、少しでもクレートと「ハウス」というコマンドが頭の中で結びそうな瞬間をキャッチしたらすぐに褒めてあげます。それを何度か繰り返すうちに、「ハウス」というとさっとクレートの中に入るようになりました。ジャッキーはすでに11歳という老犬でしたが、簡単に新しいコマンドを教えることが出来ました。

航空会社に連絡する

乗る飛行機が決まったら航空会社に「犬を連れていく」旨を連絡します。
当時はカスタマーサービスへの電話が繋がるまで40分くらい待った記憶があります。航空会社側からは「同意書」にサインをして当日に持ってくるようにと言われました。この同意書は、飼い主としては非常にサインしたくないものです。犬に何があっても航空会社の責任を問いませんと同意させられるからです。

とはいえ、貨物室も空調は機内と同じに設定されているし、よほどのことがない限り大丈夫だとは思います。一応、航空会社ではペットの死亡件数についてこちらのページで公開しています。

出発までの手順は以上になります。出発当日から到着までの流れについては次の記事をご覧ください。

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